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大阪市立東洋陶器美術館 宮川香山展  [美術]

この頃年金がらみの生臭い記事が続いたので、ちょっと気分を変えて…。

miyagawakozantouyoutouki.jpg
宮川香山展へ行ってきました。
一言でいうと 圧倒されました。

おそろしく上手な陶芸家。
明治初期に輸出用陶器を制作した人のようですが、まず器の形がすばらしい。
そこに書かれている絵もすばらしい。
そしてなによりその陶器の上に付けられている鳥、動物 植物すべてがリアルで精緻です。
下のポスターにあるとおり 超絶技巧 です。

もちろん輸出用で商品ですが、自分のできることの限界に常に挑戦していったように見えました。

このカニの付いた花瓶ですが、後年もっとうまくできると寸分たがわず同じものを作っており、それが2つ並べて展示してあります。
miyagawakozan.jpg
(これは別の展覧会のポスターです。)
このカニといい、花瓶といい、本当に同じ寸法で作ってありました。そんなこと普通にできることなんでしょうか?

この写真にあるものだけではありません。本当にたくさんのすばらしい陶器、磁器が展示してありました。
天才というより鬼才という感じがしました。
観終わるとフラフラになってしまいました。ものすごいパワーです。

あと、東洋陶器美術館の常設展も観ることができたのですが、いい作品のはずなのに、ぺらっぺらに見えてしまいました。

この宮川香山の作品は田邊哲人コレクションが中心だそうですが、東洋陶器美術館(安宅コレクション)といい見る目のあるお金持ちによってこういうものは大事に残されていくと思うと、インフレなど望まず地味に生きればいいではないか思う反面、余分なお金がないとこういうものは作られず、保存もされていかないこととの矛盾を感じてしまいます。

宮川香山だって幕末の動乱で、各藩に陶器を買ってもらうことができないから、横浜に出て西洋のお金持ちの貴族向けに陶作を進めていったため、こんなに絢爛豪華なものを次々作ったのでしょう。
平和で国内向けだったら京都で茶道具を作って一生を終えたかもしれません。

この世にこのようなすばらしいコレクションがあるなんて思ってもみませんでした。
7月31日(日)まで開催されていますので、陶器や磁器にに興味のある方はぜひ行ってみてください。


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